JA横浜_Agri横浜VOL.254
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農福連携への期待右上下右下左る。その代わり、出荷先の担当者と接する機会が多いことを生かして品質の見極め方、ニーズの把握につなげるために勉強の時間に充てた。ん、信行さんがコロナ下で体調を崩してしまった影響が大きかった。数年前から人手不足を課題にしていたことも中山さんは感じ取っていたという。「今まで以上の成果を出したい」と意気込んではいたが栽培の経験がほぼないため、目の前の仕事をこなすことで精いっぱいの日々を過ごした。不良を起こし、病害虫の被害にも悩まされた。「心が折れてしまいそうだったが、所属するJA青壮年部都田支部の仲間たちが支えだった」と感謝の思いを口にする。畑の視察や情報交換をしながら現状の把握や栽培計画の構築につなげ、改善を繰り返しながら技術の向上を図ってきた。菜を周年で栽培。春から秋に「いなむら」、冬は「さくらぎ」をリレーす経営を一任されたのは、孝治さ1年目はかん水不足で苗が生育現在、15㌃の畑で中山さんは小松る。2年目を迎え、ダイコンやハクサイも手掛け始めた。出荷は量販店との契約栽培のほか、地域のマルシェなどにも卸す。土作りでは堆肥や緑肥を駆使して微生物のすみやすい環境づくりを心掛ける。出荷作業は信行さんも手伝うが、人手不足の悩みは今も続く。解消に向けて期待されるのが、昨年度からJAと農協観光が連携して取り組む農福連携施策への参画だ。農家が抱える労働力不足などの課題解決を進めて、農業を通じて障がい者の社会進出の後押しをする取り組み。サポーターを含む4人1チームがJAを通じて依頼した農家に出向いて除草や収穫作業などをする。「メンバーは障がいがあることを感じさせないほど戦力になっている。福祉施設とも連携してこの施策を広めていきたい」と中山さん。今後は作業をより単純化して、任せられる仕事を増やしていきたいと考えている。中山さんには「消費者が身近にいる横浜の立地を生かし、収穫体験や地産地消イベントを開きたい」という夢がある。農福連携施策の効果で作業効率が上がり、新たな挑戦に目を向けられるようになった今、夢の実現に向けて着実に歩みを進めている。福祉施設「すてっぷなな」での直売に出荷農福連携について神奈川新聞からの取材風景春作に向けてダイコンを播種こだわりの堆肥をまく

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