JA横浜_Agri横浜Vol.242
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➡➡土壌中の硝酸態チッソ量(mg/100g)表層腐植質黒ボク土、20℃、土壌水分:最大容量の60%、財)日本肥糧検定協会(1997年)技術顧問 山田 良雄土や緑とふれあう暮らし緑の情報箱カルシウム(Ca)①pH調整石灰チッソの全面散布1a当たり6〜8kg20㎝程度やや深めに耕うん*やや湿った土の状態か、耕うん後に降雨概ね2週間程度空けてから播種や定植土壌酸度調整有機物分解促進石灰チッソ雑草軽減病原菌軽減シアナミド③〜⑥害虫・病原菌・雑草軽減⑦粗大有機物分解促進チッソ肥料②チッソ肥料肥料害虫軽減は しゅ経過日数石灰チッソ肥料をはじめとして、さまざまな資材が高くなっています。野菜を作り続けると、年々生育が思わしくなくなってくる感じを持たれる方も多いと思います。「石灰チッソ」は肥料ですが、土作りや病害虫・雑草の被害を軽減する不思議な側面を持っています。今回は石灰チッソを上手に使って、省力的・低コストでおいしい野菜を作るヒントを紹介します。石灰チッソの効果①土壌酸度(pH)の調整②チッソ肥料③土壌中の害虫軽減④土壌中の病原菌軽減⑤土壌中の雑草軽減⑥生育中の雑草軽減⑦粗大有機物の分解促進石灰チッソとは石灰チッソの使い方石灰チッソの主成分は「カルシウムシアナミド」で、1901年にドイツで発明された化合物です。土壌中の水分と微生物の作用で、「カルシウム」と中間産物の「シアナミド」に分解されます。「カルシウム」は石灰資材としての効果があります。「シアナミド」は肥料・殺虫・殺菌・除草・植物生育調整的効果を発揮し、ある程度の期間をおくと、最終的には無機態のチッソ(肥料)になります。石灰チッソ①畑全面に散布する②土壌がやや湿った状態か、散布・耕うん後に降雨がある③耕うん(土壌混和)はやや深めの20㎝程度④2週間程度空けてから播種・定植等の作付け(注)石灰チッソの取り扱い注意点①手袋、マスク、長靴を着用して散布②適度な土壌水分時に散布もしくは混和後適度な降雨条件③散布・混和後2週間程度は作付けしない④散布当日は飲酒してはいけない石灰チッソ分解産物の「カルシウム」は、土壌改良資材「消石灰(水酸化カルシウム)」を土壌に散布した時とほぼ同じ量の効果(アルカリ分として約60%)があります。したがって、石灰チッソを使用した場合は、石灰資材の散布が不要で、その分低コストになります。石灰チッソは土壌中の微生物の作用で、最終的には硝酸態チッソ(無機態チッソ)になり、野菜の栄養になります。肥料的効果は、ゆっくり・長く効きます。石灰チッソは約20%(商品により少し違いがあります)含まれています。代表的なチッソ肥料の「尿素」は、チッソ成分が46%含まれていますので、尿素のほぼ半量に当たります。尿素は、土壌中で約3週間程度で肥料効果がほぼ切れます。石灰チッソの肥料効果は散布2週土壌酸度(pH)の調整チッソ肥料石灰チッソ肥料の不思議

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