Agri横浜 vol.218
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じゅう てんふと妊娠日数妊娠日数技術顧問川西 隆智か きん土や緑とふれあう暮らし肉用牛のライフサイクル皆さんの大好きな牛肉、これは肉専用種(黒毛和種牛、褐毛和種牛など)や外国種牛(アンガス種牛、ヘレフォード種牛)が素牛となっています。ここでは黒毛和種牛についてお話します。黒毛和種牛の雌牛は生後15〜16か月齢(体重300〜350㎏)で交配されます。日本では、その9割以上を人工授精で交配しています。アメリカやオーストラリアなどの肉専用種は自然交配によるところが一般的です。人工授精では、優秀な種雄牛の精液を0.5mlストローに充填し、マイナス196℃の液体窒素内で保存しておきます。授精するときは凍結精液を融解し用います。子牛が8か月齢に達すると、トウモロコシ、大豆粕などの穀類や子牛育成配合、乾草などを与え始めます。雄子牛は生後2〜3か月齢時に去勢します。これは肉質妊娠した雌牛は約285日の妊娠期間を経て25〜26か月齢時に子牛を産みます。生まれた子牛は一般的に4カ月間、母牛に育てられます。(今では幼牛用に研究されたミルクが市販されており、生後2か月齢ほどで母親から離すことができます)を良くし、肥りやすくし、性質を温和にするためです。大きくなった子牛は5〜7か月齢で離乳し、雌牛は一部肥育に仕向けますが多くは繁殖に用いられます。肥育仕向けとなった去勢牛(生後10か月齢、体重290㎏)は約20カ月肥育され、生体で約800㎏に仕上げます。(昔は懸垂が低く大きな枝肉は嫌われました。今はどんどん大型化され、550㎏を超す枝肉は当たり前になりました)雑種はL.W.H.Dの4種が大部分で三元交雑があります。三元交雑は雑種強勢効果を活用した生産方式です。雑種強勢効果とは 品種または系統間の交配によって、その能力が両親の平均能力を上回る現象を活用した生産方式。雌豚は生後8か月齢時(体重120㎏)に初めて交配されます。交配の多くは自然交配で行われますが、これは受胎率が高いとの理由があります。交配され妊娠した雌豚は約114日の妊娠期間を経て12か月齢で初めて子豚を分娩します。なお、豚は多胎動物なので普通は1回の分娩で10頭程度分娩します。生まれた子豚は約1カ月間母豚に育てられますが、生後10日目くらいから徐々に飼料も与えられます。また、豚のライフサイクル私たちが食用とする豚肉は60%が国産、残りの40%はロースハムやベーコンの加工原料としてデンマーク、北米などから輸入されています。日本で飼われる豚の品種はランドレース(略してL)、大ヨークシャ(W)、ハンプシャー(H)、デュロック(D)、バークシャ(B)などがあります。純粋種のシェアは小さく、繁殖用の豚の約7割、肉豚の約8割以上が雑種です。食肉の種類は多く、私たち人間の食生活には欠かせない食品です。私たちにおいしい食肉を提供してくれる家畜や家禽のライフサイクルを知りたいと思いませんか。緑の情報箱肉用家畜のライフサイクル

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