「母の日」に向け地道な作業転機は仲間との出会いはしゅ差しの温もりが感じられる2月。まばゆい光に包まれた温室で、廣木さんはカーネーションの摘心作業にあたっていた。昨年10月に定植し、年明けに植え替えたもので、その数は2000鉢を超える。1株ごとの生育状況を見極めながらの地道な作業だ。ネーションは温度に敏感なので、5月の母の日に開花を合わせるには、今の時期の細かい管理が欠かせない」。カーネーションを導入して3年目。初年度の出荷先は市場のみだったが、昨年はJA「ハマッ子」直売所本郷店にも広げた。庭先販売への注文も、徐々に増えてきた。野辺をわたる冷たい風の中にも日「今のところ生育は順調。カー大黒園では先代以来、冬のシクラメンを主軸に春と秋には花苗を手掛けてきた。だが働き手は、廣木さんと妻・喜子さんの二人だけ。鉢替えなど労力を要する作業が一時期に集中する上、年末に向けてシクラメンの販売が始まる頃には翌シーズンに向けた播種、育苗の作業が重なる。「無理をしていては続けられない」とシクラメンの作付け規模を見直し、ゆとりを確保できたところで、それまで手掛けていなかったマーガレットやガーデンマム、カーネーションを順次導入。作業の効率化を進め、取扱品目の拡大に結び付けた。東京農業大学を卒業後、大田市場にある花の卸売会社に就職。だが間もなく父・義典さんが体調を崩したことで、家に戻った。もう少しこの会社で流通のことを学びたかったが、の境界にも近い俣野町一帯は農業が盛んで、大規模な温室も立ち並ぶ。廣木健太郎さんはこの地で花の生産・販売をする「大黒園」の三代目。ガラス温室4棟とビニールハウス合わせて約20㌃で、シクラメン、カーネーションなどの鉢物や20品目に及ぶ花苗を栽培し、季節の彩りを市民に届けている。横浜市の南西部に位置する戸塚区。境川と宇田川が合流し、藤沢市と効率化で生産性アップ新たな品目の導入も戸塚区原宿廣木 健太郎さん(39)濱農浪漫
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