近年は、さまざまな冷凍食品が販売されていますが、栄養面などで抵抗を感じる人も少なくありません。特に、家庭で野菜を冷凍するというイメージは弱いと思います。野菜を冷凍保存する利点は、①栄養価が保てる②長期保存できる③時短調理につながる④食品ロスの削減⑤食感の変化を楽しめる―など。生野菜に比べて食感が柔らかくなるため、離乳食にも使えます。下表には、おいしく冷凍・解凍するためのポイントをまとめました。 「冷凍のコツ」⑴の通り、野菜を長く冷蔵保存した場合、栄養価低下や細菌増殖を招きます。冷凍によって細菌は死滅しないため、解凍後の品質管理と食感の観点から、鮮度の良いものを計画的に冷凍し、2カ月以内に使い切りましょう。⑵は乾燥防止に役立ちます。野菜の水分が氷となり、この氷が冷凍庫内の臭いを吸収するため、そのまま調理するとおいしさが損なわれます。もし付いてしまった場合は、調理前に必ず取り除いてください。⑶は、ご家庭の冷蔵庫に「急速冷凍」機能があれば、ぜひ活用してください。また、冷凍庫内を満杯にしておくと、冷却効果が高くなります。 「解凍のコツ」のうち、⑶は最も失敗の少ない方法です。常温解凍と記載していますが、加熱解凍(電子レンジでの加熱も含む)や冷蔵庫解凍でも問題ありません。普段のおかずを2倍調理(通常の倍の量を作る)して半量を冷凍しておけば、忙しい時の食事に活用できます。 次ページからは、野菜別の具体的な冷凍方法と、手軽にできるレシピを紹介していますので、ぜひ参考にしてください。冷凍保存のメリット冷凍・解凍の注意点生活アドバイザー、食生子」直売所2店舗で販売中の冷凍できるサラダ「楽ベジstyleサラダ」を開発。野菜摂取量の増加に向け、多方面で活動する。特集特集野菜の「冷凍保存」活用術栄養キープ&手軽に調理冷凍のコツ⑴鮮度の良い状態で冷凍する ・野菜室での保存は3日間が理想⑵できるだけ空気と遮断する ・ラップで包み、さらに保存袋に入れる ・なるべく空気を抜く⑶早く冷凍状態にする ・食材は冷やしてから冷凍 ・食材を薄く平らに広げる ・食材の上下を保冷剤と ステンレストレー(バット)ではさむ解凍のコツ⑴加熱解凍…生野菜、貝類 ・冷凍庫から取り出してすぐに炒める、焼く、ゆでる⑵冷蔵庫解凍(自然解凍)…肉・魚類 ・半日〜1日、冷蔵庫に移して解凍。ドリップを出さない⑶常温解凍(20分未満)…調理済みの食品、パン講師紹介野活菜指ソ導ム士リ。エJプA「ロハ、冷マ凍ッ 横浜市内で生産される多種多様な野菜。新鮮なうちに食べるのが一番ですが、食事のメニューによっては「一度に使いきれなかった」という経験がある人も多いはず。冷蔵庫の野菜室で保存していても、栄養価は徐々に減ってしまいます。すぐに使う予定のないものは「冷凍保存」してみませんか? 今回の特集では、冷凍保存のメリットやコツ、活用レシピを紹介します。根本 早苗さん
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