JA横浜 vol.229
9/13

会員は5人。当番制で一人当たり月10日ほど作業する。野菜は原則、同店から仕入れ、B品やC品にも相応の対価を支払う。会員の大半は野菜農家で、同店の出荷者でもある。出荷物には生産コストがかかることを知るからこそ、無償で譲り受けることはしない。自家の野菜でも店を通して仕入れるのがルールだ。梅干しやカリカリ甘梅、ゆでタケノコといった、地域の特徴である里山の恵みを使った加工品も人気。添加物を使わないため、毎日少量を作る。高菜漬けだけは少しでもきれいな緑色を維持するため冷凍販売するなど、手間を惜しまない。全員が70代。「漬物石が重くて持ち上がらない」と笑い合う。44人いた会員は徐々に減り、一人に掛かる負担は増えたが、無理をせず自分たちのペースで活動を続けてきた。集まれば世間話に花が咲き、加工所は元気をもらえる基地でもある。角津トメ会長は「お客さんの声を励みにここまで続けてこられた。長くはできないが、味の伝承が途切れないよう後継者に託したい」と話す。加工所は元気の供給基地あうんの呼吸で、流れるような動きが冴える。作業中は私語を慎むが、休憩時には笑い合い仲睦まじい(左から)小泉久子さん、増田桂子さん、福岡洋子さん、大場幸子さん、角津トメさん

元のページ  ../index.html#9

このブックを見る