JA横浜 vol.229
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まだ朝の冷え込みが厳しい2月中旬。ようやく顔を出した太陽の光は弱々しく、午前6時半の加工所には冷気が沈殿している。当番の会員が1人、2人と「出勤」し、出荷準備を始めた頃、ようやく空気が温まる。四季の会の朝は早い。週1回の定休日以外は、製造と出荷が毎日ある。店内のショーケースには、地場の素材を使った漬物類や梅干し、総菜などがずらり。心待ちにする常連客は多い。加工品は20種類ほど。40を超えるレパートリーがあったが、栄養成分表示の義務化で分析費用がかかるため、絞り込んだ。一番人気はユズを入れたダイコンの甘酢漬け「舞漬け」。シャキシャキした歯ごたえが特徴で、地場産の収穫がない8月以外は通年で販売する。始まりは昭和62年。女性の力でできることをやろうと、当時の農協婦人部員を中心に、「加工研究会」を結成。舞岡支店の裏で、漬物などを作り始めた。平成2年、「農のある地域づくり」を進める市のふるさと村に舞岡地区が指定され、会の活動にも弾みがついた。士気が高まった会員たちは、先進地の視察で出合った漬物をヒントに、舞漬けを開発した。平成5年に舞岡やが、翌年には待望の加工所が完成。舞岡やが拠点になると、廃棄される野菜や規格外品がもったいなく感じられた。それらを使って加工品を1年中作ろうと、四季の会に改名した。定番の味は「舞漬け」舞岡四季の会 戸塚区舞岡町女性の力を農業振興に舞漬けはダイコンのいちょう切りから始める水田や畑、梅林、竹林など、豊かな自然空間が広がり、元気な農業が息づく舞岡ふるさと村。市営地下鉄「舞岡駅」から地上に出てすぐ、ふるさと村を象徴するJA「ハマッ子」直売所舞岡やがある。店内に併設された加工所が、漬物など農産加工品を手掛ける女性グループ「舞岡四季の会」の活動舞台だ。古里の味を守り続け、今年で結成30周年を迎える。農産加工続け30周年無理ない活動が秘訣

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