Agri横浜 vol.217
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石井造園は昭和41年に、父親の昭彦さんが設立。石井家は代々野菜農家だったが、高度経済成長期で植木の需要が高かったことから、植木・園芸植物の生産販売に転換し、次第に造園も手掛けるようになった。現在は造園業に特化し、市の工事や公園等緑地の管理受託、個人宅の庭園・樹木の管理、外構工事などを中心に手掛ける。石井さんは、建設関係の専門学校を卒業後、東京都杉並区の造園会社で5年間修業し、25歳で石井造園に入社。工事現場で経験を積み、29歳から営業と経営に携わるようになった。年齢が若いことで競合他社から軽く見られることもあったが、持ち前のポジティブ思考で道を切り開いてきた。父親の体調が思わしくなく、早期に代替わりを望んでいたため、38歳で社長に就任。これまで仕事で父親と衝突したことはなく、潔い引き際に、石井さんは今も敬意を抱いている。石井造園の強みは、社員に樹木医がいること。樹木が健全か、衰弱しているかが、いつでも診断できる。科学的な根拠を提示できるよう、「ピカス3」という装置を導入した。樹木にセンサーを取り付け、センサー間の音波の速度を計測し、樹木断面の腐朽度合いを診断。倒れる危険性や、今後の処置の必要性など、予測に役立てる。個人邸の庭や外構工事では、オーナーの希望を実現できるよう、綿密に打ち合わせをして作業を進める。こうした社員の成長した姿を見ると、石井さんは仕事の達成感を感じるという。長男の隆真さんは、大学の造園科で学んでおり、社員同様に2代目社長として躍進石井直樹さん(55) 栄区笠間樹木診断で倒伏の危険予測*SDGs:国連の持続可能な開発目標「ピカス3」で樹木診断する石井さん㊧と樹木医の佐藤さん かつては鎌倉幕府との結びつきが深く、鎌倉道や数多くの史跡が残されている栄区。起伏に富んだ地形のなかに、「自然観察の森」など豊かな緑が残る。この地で造園業を営む石井造園の2代目社長・石井直樹さんは、父親が興した会社を早くに引き継ぎ、発展させてきた。本業のスキルを生かした地域貢献にも力を注ぎ、市が昨年創設した「Y-SDGs」の最上位に認証された。造園業のスキル生かし地域貢献市の「Y-SDGs」最上位に認証

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