「大矢養鶏」。3代目の大矢忠慶さんは、平成31年5月に就農し、父・忠良さんと共に新鮮な卵を提供する。最近では、父から経営の一部を任されるようになった。鶏舎では、約1万羽の成鶏を飼育。鶏種は白玉鶏の「ジュリア」と「ジュリアライト」、赤玉鶏の「ボリスブラウン」で、一日で約550㌔(約9000個)の卵を生産する。問屋やJA「ハマッ子」直売所みなみ店などに卸す他、養鶏場内で直売もしている。3年間、輸入食品雑貨の卸売会社で営業として4年間働き、農業とは全く無縁の生活を送っていた。その間は養鶏場を忠良さん一人で切り盛りしていたが、「高齢の父に代わり、将来は自分が経営を支えなければ」と半世紀以上にわたる歴史をもつ就農前は、物流会社の倉庫管理を考え、26歳で退職。その後、拓殖大学北海道短期学校に入学し、農業の知識やビジネススキルについて学び始めた。また、大学から紹介された現地の養鶏場で1カ月間の研修を受けた。研修が終わってからも週末は住み込みで働き、実践的な経験を積んだ。「飼育に関わる作業だけでなく、直売の手伝いもしていたので、商品の付加価値の付け方や経営面でも多くのこと教えてもらい店づくりの勉強にもなった」と振り返る。採取した卵の洗卵、検卵、大きさの選別までの工程は、機械で自動化している。さらに生産性を上げるために忠良さんが5年前、鶏舎内に細霧冷却装置を設置。鶏は体温調節が苦手で、夏場の飼育管理には細心の注意を払う必要があるため、5分に1回ミストを噴霧して室内の温度を父から受け継ぐ養鶏業さらなる高みを目指して業が営まれる中、「大矢養鶏」は区内で唯一、鶏卵を手掛ける。鮮度の高さが人気で、地元小学校や飲食店からも重宝されるほど好評。黄身が濃く鮮やかになるよう□にこだわり、JAが開いた「令和6年度では、品質・食味ともに最上位に輝いた。横浜市内最大の農地面積を持つ泉区。野菜や果樹、養豚など盛んに農鶏卵品評会」 ただし大矢 忠慶さん(31)泉区和泉町環境整備で生産性向上□にこだわり鮮やかな黄身へ濱農浪漫
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