JA横浜_Agri横浜Vol.264
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せんてい*pHは酸度を表す指標で、pH7が中性で数値が小さいほど酸性が強くなります。一般的な果樹や野菜ではpH5.5〜6.5程度(弱酸性)です。ブルーベリーは強酸性土壌を好みます。・有機質に富む砂質土・乾燥に弱く水分が多い土質を好む・最適pH:4.3〜4.8*・土壌適応性が広い (さまざまな土壌でも適応する)・最適pH:4.3〜5.3【写真1】主軸枝や小枝が多く混み合っている土壌条件樹勢は中〜弱で樹高は1.5〜3.0m程度樹勢が強く、樹高は3.0m以上になる【写真2】主軸枝本数が適正になり株の内部の日当たりが改善樹勢大果で品質優秀。多収性【収穫時期】6月上旬〜7月下旬中程度の大きさで品質優秀。ハイブッシュ系より多収【収穫時期】7月上旬〜9月上旬ブルーベリーは手をかけずにいると写真1のように多くの枝が発生して、樹体全体がごみごみしてきます。そうなると、果実がなる位置が高くなり、下の方の日当たりが悪くなることで手頃な位置の枝がなくなってきます。「主軸枝」は株仕立てにするブルーベリーの最も肝心な骨組みです。本数が多くなると混み合いますので、1株当たり5〜8本を目安にしてください。次に剪定です。以下の①〜⑥の順に手を入れてください(出来上がりイメージは写真2)。①株の内側の混み合った位置に発生している「シュート」は、株元から間引きます。ただし、主軸枝が古くなっている場合は、古い主軸枝を間引いて「シュート」を残します。②株から離れたところに突然発生する「サッカー」は基本的に間引きます。ただし、「サッカー」を上手に掘り取ると、他の場所にブルーベリーを株分けできます。③株の内側に向かう枝は、日陰を作るので基本的に切ります。④先端が垂れた枝や前年に果実がなった枝は、元気がある上向き枝の位置まで切り戻します。⑤下向き枝や弱い枝(15㎝以下)は切り取ります。⑥膝より下の低い位置から発生している枝は、基本的に切り取ります。ブルーベリーの品種には、大きく分けて寒冷地に向く「ハイブッシュ系」と温暖地に向く「ラビットアイ系」がありますが、横浜における作りやすさを考えれば、ラビットアイ系から選ぶのが賢明です(表1)。もちろん、まとまった面積での経済栽培を考える場合は、収穫時期をずらす意味からも6月から収穫可能なハイブッシュ系も選びましょう。なお、結実安定や果実肥大のためには受粉が必須ですので、複数品種を組み合わせて植えてください(ブルーベリーは自家結実性が弱いので、他品種の花粉が必要です)。1.仕立て法と剪定法について2.品種選び【表1】種類別の特性 土や緑とふれあう暮らし品種名ハイブッシュ系(アーリーブルー、スパータン、ブルーヘブン、シャープブルーなど)ラビットアイ系(ティフブルー、クライマックス、デライト、ノビリス、レガシー、ホームベルなど)技術顧問 北尾 一郎果実の特徴近年、横浜では畑や庭にブルーベリーが増えています。また、新たに植えてみたいという方も多くいらっしゃるようです。今回は仕立て方、整枝剪定のポイントを中心に解説します。また、品種選びも含めて基本的な栽培技術についても簡単に紹介します。 緑の情報箱ブルーベリーを楽しく育てる

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