JA横浜_Agri横浜VOL.252
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予約受付をDX化左下右 けつ右ひがり現場から遠のくにつれ、漠然と「おもしろいことをやってみたい」という独立願望が強くなっていった。伯父(父の兄)が農家で、子どもはいなかった。伯父が亡くなり、残された見合わせたものの、自分が継ぐ決心はできていた。つ引き継いでいない。逆に一切のしがらみがなくゼロからスタートできたことが良かった。県立かながわ農業アカデミーに1年通い、同校から戸塚区内の研修先農家を紹介してもらった。この農業の師との出会いが、川戸さんの進む道を決定づける。を使ったイチゴの高設栽培を手掛けていた。就農当初はイチゴ栽培など頭の片隅にもなかったが、3年通ううちに「自分にできるかも」と思い始めた。おいしいイチゴを作る秘訣は土にあることが分かっていたので、師の栽培スタイルを継承し、平成30年に1棟目の温室を建てた。目の温室を建てると、夫婦2人だけでは収穫・パック詰め作業が手に負えなくなり、観光農園に切り替えた。父は勤め人で農業はしていない。とはいえ、生前の伯父からは何一そこでは露地野菜のほか、培養土初めは藤沢市の市場に出荷。2棟現在は1月中旬から5月中旬まで、水・土・日曜日に30分食べ放題のイチゴ狩りを開いている。一方で、悩みの種が予約の電話対応。多い日は1日100件もあり、その対応だけで3時間拘束される。予約を受けられない場合でも、断るための対応をしなければならない。そこで令和4年1月より、レジャー予約サイトの運営企業が提供する「ウラカタ予約」というシステムを導入した。デジタルトランスフォーメーション(DX)化により、24時間無人で予約受付ができ、飛躍的な負担軽減を実現。イチゴの出来次第で、予約枠を自由に設定し、スマートフォンで予約状況を確認できる。オンライン決済により現金のやり取りがなくなり、キャンセルも減った。作業効率化に加え、集客数も1・5倍に伸びるなど、今や欠かせないツールとなっている。「夫婦では今の規模が限界」と言う川戸さん。3人の息子が農業をどう見ているのか分からないが、将来の加工事業を見据える。今は「また来るよ」という来園者の声に、農業の楽しさと喜びをかみしめる毎日だ。下左ヨコハマ ストロベリー フェスティバル 2024(赤レンガ倉庫)へ出店するため、妻の房江さんと収穫作業スマホで予約状況を確認夏季にもブルーベリー狩りができるよう苗木を定植市内では珍しい「かなこまち」70㌃の農地をどうするかと父と顔を

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