JA横浜_Agri横浜VOL.252
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野毛山公園のサクラ技術顧問 福井 英治毛虫(モンクロシャチホコ)コスカシバによる穿孔(ヤニが多く出る)せん ていそう せいてんぐ巣病土や緑とふれあう暮らし緑の情報箱ソメイヨシノ㊧とオオシマザクラ春の到来を告げるイメージの花といえば「サクラ」。好きな花は? と聞かれて多くの人が上位に挙げる花といえば、やはり「サクラ」。3月に入ると桜前線が北上し、開花宣言(標本木が4〜5輪開花)が全国各地で出されます。横浜での標本木は中区の横浜地方気象台敷地内にあります。〇市内の主な見どころ①大岡川沿い ②三渓園③富岡総合公園 ④根岸森林公園⑤野毛山公園 ⑥三ツ池公園⑦三ツ沢公園 ⑧元町公園など〇サクラの特徴サクラはナシ・ウメなどと同じバラ科です。花弁は5枚で、自生種は主に東アジアに分布しており、日本では園芸種を含めると400種ほどあるといわれています。〇サクラといえば「ソメイヨシノ」開花は1月下旬ごろに沖縄県のカンヒザクラでスタートし、5月ごろに北海道のオオヤマザクラやチシマザクラなど全国を縦断します。品種によっては十月桜や冬桜のように10〜11月と12〜1月の2度にわたって咲く種類もあります。最も身近なサクラは、花見の対象となる「ソメイヨシノ」です。母をエドヒガン(樹勢が強く樹齢数百年の古木が各地にありシダレザクラはこの仲間)、父を日本固有種のオオシマザクラ(葉が大きく塩漬けにした葉で桜餅を包む。花は白色)との雑種とする自然交雑か、人為的な交配で生まれた日本産の栽培品種で遺伝子解析によりエドヒガンとオオシマザクラを親としてできたクローン(同一DNA)であることが明らかにされています。花が大きくなるのはオオシマザクラから、葉が出る前に開花するのはエドヒガンからと、両方の性質を受け継いでいます。生長が早く花つきも良く、葉が出る前に満開になるためとても豪華です。しかし、生長が早いため栄養分を多く消費し、病害虫も多いため30〜40年くらいをピークに70〜80年たつとかなり老化してしまいます。〇サクラの病害虫サクラに登録されている病気はとても多く、日本植物病理学会2023年版によると、てんぐ巣病、べっこうたけ病、胴枯病、こぶ病など、実に60余りもあります。特にソメイヨシノは病害虫が多く腐朽に弱いので寿命が短いといわれています。理由としては、樹形が傘型で横に広がり先端が垂れるので、通行の邪魔になって枝を切断した傷口から木材を腐らせる腐朽菌が入ることです。街路樹や公園では不適切な剪定や道路工事による根の切断、強風による枝折れ、庭園では多くの花見客による根元への踏圧が一番の原因といわれています。病気の中でも、てんぐ巣病は小枝の一部が膨らんで太くなり、多数の小枝が叢生して巣のように見える「てんぐの巣」状になります。空気伝染するカビにより主に枝に発生します。発生初期は発見しにくいのですが、発病枝には花がほとんどつかないため、病気にかかった枝は開花時に葉が出るのでよく目立ちます。てんぐ巣病にかかってもすぐに枯れるわけではありませんが、傷口から腐朽菌が侵入し蔓延すると、樹勢は著しく衰えていきます。この他にも、モンクロシャチホコやアメリカシロヒトリなどの毛虫類やコスカシバなど多くの害虫から被害を受けます。サクラの季節到来ですが…

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