いった人気品種に加え、昨シーズンからは県独自の「かなこまち」も導入。収穫適期の見極めや生理障害の対策など、管理が難しいものの、お客からの評判は上々だ。「まだ課題はあるが、生産者として神奈川のオリジナルブランドをPRしていきたい」。イチゴ栽培は沙也加さんとの二人三脚。「妻のモチベーションが高く、本当に大きな力になっている」と感謝を口にする。野菜も直売には欠かせない。年間約の直売所でも販売する。特にこだわるのは彩りの豊かさ。一般的な品種だけでなく、カラフルなダイコンやニンジン、ハーブ類も用意し、地元消費者に喜ばれている。労力を要すが、家族で力を合わせて今の営農形態を築き上げてきた。「誰かに何かを伝えたい、教えたい」という思いから、塾講師として勤めていた。就農後もこの思いは変わら父・英雄さんと共に手掛ける露地多品目栽培と自家直売の運営は大学卒業後の2年間、長澤さんはず、5年前から取り組む食農教育活動に通じる。港北区内の法人が開く農作業体験イベントや、小学校での出前授業、同区が開く収穫体験などに協力。地元農業について、農家としてのメッセージを伝える。こうした活動を進める一方で、港北区は学校給食の残食が市内でも非常に多いことを知った。「おかずだけでなく、米や牛乳も残されていると知った。このまま野菜嫌いや食わず嫌いが進めば、自分や仲間の営農にも影響する」と危機感を覚え、活動にはさらに熱が入るように。授業では農業の良い面だけでなく、営農環境の変化や農畜産物の価格低迷などの問題点も伝え、〝等身大〟の農家の姿を見せている。経験を積む中で、「子どもだけでなく、子育て世代の意識を変えるためには、親子で農体験を通じて食を学べる場を作ることが重要」だと考えるようになり、その入り口として昨年から直売用とは別のハウスを使ってイチゴ狩りの受け入れに踏み切った。JAが今年度開設する収穫体験専門ポータルサイトにも登録。長澤さんは新たな食農教育の機会を創出し、地元農業を盛り上げていく。次世代に届ける農家の声11〜1月は週2回、北新横浜駅近く30品目を生産し、イチゴハウスの他に右左上左下収穫を間近に控え真っ赤に色付いたイチゴ北新横浜直売所には英雄さんと丹精して育てた野菜が並ぶ直売に向けて沙也加さんとパック詰め作業
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