た長澤さん。妻・沙也加さんの「横浜でおいしいイチゴを作りたい」との思いがきっかけだった。祖父の代では、小松菜の市場出荷を主力にしていたが、長澤さんは就農を志したころから直売を視野に入れていた。「直売を始めるにも、目玉になる作物が欲しかった。妻の希望もあり、イチゴを選んだ」と話す。は、直売向けの多品目栽培を学ぶために都筑区の農家で修業。翌年は祖父の農作業を手伝いながら師の下に通い、知識・技術を身に付けていった。就農3年目に県立かながわ農業アカデミーでイチゴ栽培を学んだ。イメージが強いが、長澤さんはあえて直売のみの販売を選択。「イチゴ狩平成25年からイチゴの栽培を始め平成22年に就農してから1年間近年、イチゴといえば観光農園のりは、1シーズンに繰り返し同じお客さんが来るイメージが薄かった。直売の方が、強い関係性を持てると考えた」。その言葉通り、直売のお客との信頼関係が生まれたことで、販路の拡大につながった。栽培を始めた当初は、地産地消の取り組みが根づいておらず、「自分で売り込みに行ってもうまくいかなかった」という。一方、お客を介すことで、地元産を使いたいという店と巡り合えた。現在は、地元スーパーや新横浜駅近くのかき氷専門店、横浜駅直結の商業施設にある飲食店などに出荷。青果だけでなく、和紅茶や甘酒といった加工品にも使われ、市内産イチゴの多様な楽しみ方を伝えている。イチゴは今シーズン、7品種を手掛ける。「おいCベリー」「紅ほっぺ」と横浜でおいしいイチゴを家族で支え合う農業中旬ごろから多くの人が訪れる農園がある。ここは「ながさわファーム」のイチゴハウス。園主の長澤佑典さんは露地野菜とハウスでイチゴを手掛け、自家直売の他、地元飲食店などに出荷する。食農教育にも積極的に取り組み、地域住民に向けて農家の声を発信している。港北区と都筑区にまたがる新羽・大熊農業専用地区の中に、毎年12月イチゴでつながる地域の輪畑から伝える「食と農の大切さ」港北区新羽町長澤 佑典さん(39)濱農浪漫
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