JA横浜_Agri横浜 VOL.251
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家が営む直売所「南」がある。周辺の田畑でとれた野菜や米、手作りの加工品などがずらりと並ぶ。栽培管理は主に萩原さんが担当し、作付けや収穫といった人手の必要な作業は家族と分担する。「特別なことはしていない。ただ、お客さんにおいしい野菜を届けたい」。この思いを胸に、日々農作業に励む。昔ながらの田園風景が広がる寺家ふるさと村の一角に、萩原千秋さん一家。祖父も農業に従事しており、萩原さんは幼い頃から度々畑に足を運んでいた。学生時代も休日に祖父の仕事を手伝うなど農業は身近なものだったが、後を継ぐ考えは無かった。「人のために何かやりたい」と、情報処理関係の会社に就職。しかし、入社当時からリーマンショックの波にさらされ、仕事に不安を抱えていたという。改めて将来の生活を考えるようになり、萩原さんと同じく会社勤めをしていた父と共に就農することに。栽培管理など農作業の大半は萩原さんが担当。知識や技術は祖父から学んだほか、JAのUターン・新規農業後継者講座を受講して身に付けた。現在では近隣農家からのアドバイスを参考に、研さんに励む。曾祖父が野菜栽培を始めた萩原祖父の代から始めた直売は、当時テントで販売していたが、萩原さん親子の就農に当たり現在の直売所を建てた。「これまでの直売に固定客がついていたことに加え、ふるさと村に訪れる人など、集客が見込めた。規格外野菜をもったいなく思い、他に出荷するのではなく自前で売ることを選んだ」と話す。直売所の新設後、ブログやSNSで営業日の告知をするようになると、以前からの固定客に加え、新規の来店客も大幅に増えた。直売所の営業は土・日曜日が中心。営業時間中も萩原さんは基本的に畑での作業に当たるが、時折店に立つことも。来店客の顔を見て、声を聞ける絶好のチャンスだ。品物の反響やニーズを確認し、次の仕事につなげる。直売所に品物を充実させるため、年間で約40品目・50〜70品種の少量多品目栽培に取り組む。野菜の他祖父から引き継いだ農業家族で役割を分担青葉区寺家町萩原 千秋さん(36)濱農浪漫「おいしい」の笑顔のために多品目栽培で売り場彩る

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