地野菜を生産する大川さん。「今は採算性よりも品質重視。大量に作れば利益は出るが、質を保つのが難しい」と話す。市場出荷がメインだった両親の代は、畑をほぼ休ませることなく作付けをしていたが、現在は生産量を半分程度に調整。出荷先の主軸をJA「ハマッ子」直売所に切り替えた。収穫物の選別には力を入れ、中でもキュウリは大きさや曲がり具合などを見てA品からC品までに分けている。「全ての収穫物のうち、自分で良い出来だと思える品は6割ほどだが、きちんと分けることが大切。同じ野菜でも、売れ行きは見た目で大きく変わる」という。直売所に出す品は、A品がほとんど。1袋に複数個を梱包する品目は、大きさや量をそろえることに加え、「売れやすい個数」を見極める。「ジャガイモなら重さを基準にするのではなく、5個以上入れるのが基本。他の出荷者の品も並ぶ中、『自分だったらどれを選ぶか』を考えている」と、消費者目線で品物と向き合っている。大川さんは、畝立てやマルチ張り、野菜の洗浄など、大半を手作業で行う。「両親から学んだ技術、受け継いだ農機具を今も使っている。新たに導入したのはトラクターくらい」。鍬や管理機では耕うんの深度が浅く、ダイコンの変形につながることが課題だった。トラクターは、これを解決するために購入したという。一時はマルチャーの導入も検討したが、「定植日をずらしなが直売所では荷姿重視大川裕司さん(61) 緑区鴨居品評会で生産意欲アップ50㌃の畑で年間15~20品目の露井戸水を引いた洗い場は2槽式。ダイコンは手洗いで土を落としてからすすぐ 鶴見川流域に位置する緑区鴨居の最も標高の高い位置にある畑で、野菜を栽培する大川裕司さん。50歳で会社を早期退職し、農業を継いで11年。現在は、妻・孝子さんと二人三脚で農作業に励む。JA野菜部新治支部に所属し、品評会には積極的に出品。先輩農家から刺激を受け、〝良品生産〟へのモチベーションを高めている。消費者目線で品質を追求品評会入賞が大きな励み
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