JA横浜 vol.227
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「浜なし」をピューレに 有効利用で食品ロス削減   オール都筑で地産地消サブレ生地は特産の小松菜①③  6次産業化商品の原材料として最初に着目したのは、かながわブランドの「浜なし」。生産者を悩ますのが、天候不順で発症するみつ症です。青果での販売には向かないため、廃棄されることもありました。 そこで、みつ症のナシをJAが集荷して買い取り、JA全農かながわに委託してピューレに加工。これを利用した初の商品「横濱ハーバー幻の浜なし」を皮切りに、浜なしの「ナボナ」や「パウンドケーキ」が登場しました。食べられる食品の廃棄を減らすことは、SDGsの実践にもつながります。 横浜国際プール(都筑区北山田)では、オリジナル焼き菓子「KOKUPU SABLE」を販売しています。同区の特産である小松菜をパウダー加工し、生地に練り込んだもの。農家の他、障がい者を支援する洋菓子店 昨年は幸いにもみつ症が少なく、集荷量は約3・3㌧。生産者は、「浜なしが特別なものではなく、菓子を通じてもっと身近になってくれるといい」と話していました。や製造業の企業など、異業種連携により地産地消のサブレが完成しました。 同館は国内最大級の国際公認プール。吉田文雄館長は、「プールを地域のランドマークにしたい」との思いから、新たな「売り」を作ろうと思案。区内の地域資源として都筑野菜に着目し、全国トップクラスの生産量を誇る小松菜を使った菓子を考えました。集客を狙うだけではなく、地域全体の活性化をコンセプトに、連携先を探して区内外を駆け回りました。 水分の多い小松菜を使うには、パウダーにすることが必要。都筑区役所の仲介で、戸塚区でドライフルーツなどを製造するKururu和裕さんが、小ロットでの加工を快諾。小松菜は、土井さんの農家仲間で、都筑区などで野菜を生産する港北区新羽町の小山晃一さんから仕入れます。 サブレの開発・製造は、障がい者を雇用するスイーツ工房のショコラボが引き受けました。小松菜の風味を出すためにパウダーの配分には特に気を遣ったといいます。サブレには飛び込factoryの土井①小松菜の香りが広がり、甘さを抑えた上品な仕上がりのサブレ②サブレの刻印は同プール②の③マ専ー用クの販売台も登場果実に現れる生理障害のひとつ。人体に害はなく、ナシ自体は食べられます。果肉の一部が水浸状となり、切ってしばらくたつと黒ずんでしまいます。その見た目で廃棄することも多く、何とか活用できないかという悩みから、6次産業化への利用が始まりました。みつ症のナシ断面パウダー加工 土井さんサブレ製造ショコラボ(工房)サブレが出来るまで小山さんが生産した小松菜は、戸塚区の土井さんの元に送られます。10kgの小松菜が400gのパウダーになり、650枚のサブレが出来上がります。ショコラボで型抜きに使う金型には、生地とくっつかないようテフロン加工するなど、企業の技術が詰まっています。小松菜生産者 小山さん完成を喜ぶ吉田館長みつ症とは?みつ症とは?横浜国際プール

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