JA横浜 vol.227
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10  11  12  13  14  15  16  17  18  19  20  21  22  23  24  250123456789【写真1】 左からMサイズ、Lサイズ、3Lサイズ【写真2】 紅が濃い果実㊧と薄い果実【写真3】 扁平な果実㊧と甲高な果実4.収穫した切り口(軸)の小さい果実   を選びましょう写真4のように、果実を収穫した軸の部分が太い果実と細い果実があります。軸の切り口が大きい果実は、栄養生長が盛んな太めの枝に成っていたと考えられます。栄養生長が盛んなことは果実を大きくしますが、糖度が上がりにくくなります。果実にとっては栄養生長が衰えて生殖生長が盛んになると、糖が集積して果実が熟してきます。そのため、軸は細いほど良いということになります。【写真4】 軸の切り口が細い果実㊧と太い果実技術顧問北尾 一郎うん しゅう土や緑とふれあう暮らし1.M・Lサイズを選びましょう2.紅が濃い果実を選びましょう温州ミカンのサイズは一般的に果実の横径の大きさで決めています。Mサイズは横径が61〜67㎜、Lサイズは67〜73㎜です。最近はSサイズ(55〜61㎜)も好まれるようになりました。3L以上の大玉は果汁を利用する以外、商品価値はほとんどありません。大きな果実は果皮が厚く、内袋が堅く、糖度がやや低めです。「浜なし」は大きいほどおいしいですが、温州ミカンは中くらいからやや小さめがおいしいです。糖度の目安は、極早生品種は9%、早生品種は10%、普通品種は11%です。また、酸度(主にクエン酸)が1%以下になると食べやすくなります。糖度が高くても酸度が高いと人の舌には酸っぱく感じますので、少し貯蔵して酸度を下げると良いでしょう。秋になって気温が低下すると果皮の緑色が薄くなって、オレンジ色が濃くなってきます。これは果肉の部分が熟して甘みが強くなってきているバロメーターです。同じ品種なら紅(オレンジ)が濃い果実を選びましょう。3.甲高ではない扁平な果実を選びましょう甲高な果実(写真3㊨)は若木に成った果実や収穫期に上向きに成っていることが多いです。このような果実は、栄養生長が盛んだった影響で糖度が低く食味がいまひとつの場合が多くなります。5.果皮のブツブツ(油胞)が細かい果  実を選びましょう ミカンの皮の表面にはオレンジ色の濃いブツブツがあります。これは油胞(ゆほう)といい、この中には油分や柑橘系の香りを発する物質などが含まれています。 温州ミカンの収穫は10月の極早生種(「日南1号」など)から始まり、11月の早生種(「宮川早生」など)、12月の普通種(「青島温州」など)がありますが、「青島温州」など収穫が遅い品種は、貯蔵した上で年明けから出回るものもあります。近年は気候の温暖化が進み、横浜でも温州ミカンの栽培が可能になっています。時期になれば直売所には多くのミカンが並びます。ミカンのおいしさには、糖度・酸度・糖度と酸度の割合(糖酸比)・果肉の内袋(じょうのう)が関係します。その違いを外観から判断する目安をお話しましょう。 「おいしいミカン選びのコツ」を教えましょう緑の情報箱

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