Agri横浜 vol.215
8/13

さし東京農業大学を卒業し、関西の建設会社に勤めていた藤又さん。農家の生まれではなく、大学でも動物に関する勉強をしていたため、農業との接点はほとんどなかった。そんな中、会社を退職することを決め、次の仕事を考えたときに頭に浮かんだのが、実家のある白根地区で見た畑の風景だった。「農業の知識はゼロだったが、外で働くことが好きで、経営もやりたいと考えていたため興味がわいた。地元で働けることにも魅力を感じ、野菜農家への転身を決意した」という。まずは、県立かながわ農業アカデミーに保土ケ谷区と相模原市の農家を紹介してもらい、1年かけて各農家から野菜栽培のノウハウを学んだ。農業技術を習得後、市農業委員会に営農計画書の提出や農地の借り入れを申請。無事に審査が通り、就農が決まった。「当初は手続きが多く、ハードルの高さを感じたが、全て農業や安全・安心な食を守るために必要なことなんだと実感した」と振り返る。現在、8カ所・約1・5㌶の畑を管理する藤又さん。これだけの規模を一人で耕作するには限界があると、4歳上の兄・永ひさんを誘い、二人で年間20~30品目の野菜を生産している。中でも、周年栽培の小松菜、夏のナス、冬の長ネギが主力品目。「全て露地栽培で、その時期にできるものしか作らない。地元の消費者に旬を味わってもらうことが、本当の地産地消だと考えている」と話す。く 記憶に残された地元の農業藤又琢たさん(28) 旭区上白根町旬にこだわる地産地消立派に育った小松菜は地元の学校給食にも使われる旭区上白根町周辺は、住宅が立ち並ぶベッドタウン。区内の他地域に比べると農地や農家戸数は少ないが、その中でも意欲的に野菜作りに励む藤又さん。非農家の会社員から心機一転、農業の道に進んで3年目。野菜部都岡支部の先輩農家に支えられながら、地元農業を盛り上げようと奮闘する。ゼロからのスタートで野菜生産地元密着型を目指す若手農家

元のページ  ../index.html#8

このブックを見る