Agri横浜 vol.215
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☞サーキュラーなポイント○リユース瓶は繰り返し使うた め、CO2削減効果が高い○瓶の中身は市内産農産物を原 料とし、地産地消にも貢献○環境問題に対する子どもの 関心を高めている浜なしジュース詰め地産地消瓶の再使用で環境負荷減横浜市資源リサイクル事業協同組合は、再使用(リユース)瓶に着目し、地域循環と地産地消をテーマとする「横浜リユースびんプロジェクト」に取り組んでいます。飲料用の瓶をリユースすることで環境負荷の低減を図るとともに、瓶の中身にもこだわり地産地消を推進することが狙いです。市内産の梨を使ったジュース「浜なしのひみつ」を開発し、農産物のPRにも一役買っています。プロジェクトは、一人の小学生が描いた絵日記がきっかけ。同組合では、子どもが環境問題について考えたことを絵と文章で自由に表現する「環境絵日記」を毎年募集します。平成26年に「地球に優しいRびん」と題した作品が寄せられました。同組合でびん委員長を務める寺西浩理事は、「瓶の需要を復活させたいと考えていた。この絵日記と出合い、子どものメッセージを大人が形にしなければいけないと心に火が付いた」と話します。市内の事業者に呼び掛け、平成27年にプロジェクトが始動。オリジナルのリユース瓶の開発から、中身の飲料の企画、商品の販売、空き瓶の回収、洗瓶、再利用に至るまで、役割に応じて市内の事業者をループさせる仕組みです。中身の飲料も魅力的にしたいと、事業者と連携して市内産農産物を使った商品を開発。29年に試験販売を始めましたが、商店街での販売では瓶の回収率が2割程度と、回収のプロセスに課題が残りました。提携飲食店で販売し、瓶をそこで回収することで、現在は100%に近い回収率を維持します。スにした「浜なしのひみつ」を販売。緑区でえのき園を営む果樹農家・鮫島慎治さんから規格外の梨を仕入れます。梨は変色が早く、梨の収穫と工場での搾汁のタイミングを合わせるのが難しいといいます。今シーズンは「豊水」を350㌔使い、約1160本を製造する計画。容量は180㎖の飲み切りサイズで、桃のように甘い味わいが特徴です。産地消を組み合せることで、地域の活性化にもつながっている。リユース瓶の普及を通じて、絵日記を描いた子どもやプロジェクトに携わる人たちの想いを伝えたい」と話していました。寺西理事は、「地域循環と地神奈川区横浜市資源リサイクル事業協同組合・ヨコヤマユーランド緑(緑区)・TSUBAKI食堂(中区)「浜なしのひみつ」取扱店 生産者の声緑区北八朔町 鮫島慎治さん浜なしが無い時期にも、ジュースでおいしさを味わってほしいですね。子どもたちにリユース瓶や地産地消をもっと知ってもらうため、小学校での出前授業にも協力しています。㊤同組合びん委員長の寺西理事㊧と事務局の加藤さん㊥緑区の山下みどり台小学校での出前授業。北尾顧問の講義など、JAも協力した㊦プロジェクトのきっかけとなった環境絵日記の応募作31年から、「浜なし」をジュー

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