野菜から生まれる会話はしゅ父の代では定番野菜の需要が高く、大きさと数も求められた。近年は核家族化が進んだことや飲食店の増加に伴い、少量で多品目を購入する客がほとんどに。「この変革期は父とよくけんかをした。農家として生き残っていくために聞いたこともない名前の野菜にも需要があることを理解してもらうのは難しかった」と、当時の思いを吐露する。と栽培品目を分け、自分の道を進み始めた。種苗会社やインターネットで目に留まった野菜は試作を繰り返し、ピーク時で200品種以上を栽培していた。自分が食べておいしいものが選定基準。ただ、苦みや味に特徴があるものも少量手掛けた。「客から試されることもしばしばあったことが理由。売り場に無さそうな品目を注文されるため、『あるよ』と答えて驚かせたかった」と話す。理。レンバイの支度や販売には母と妹も加わる。収量は昔の約半分だが、栽培品種は絞り込んだ今でも150以上はある。レンバイは1月1日から4日以外は無休のため、端境期を作ることは許されない。播種・定植と収穫は常に同時進行で実施。栽培就農10年目を機に石井さんは父現在は80㌃の畑をほぼ一人で管時期も寒さや暑さに捉われないことが重要になる。「基本的にセオリーは無視し、作ってみて良いものができるかを自分の目で判断する」。レンバイは季節によって変動するが、35から50種類が売り場に並ぶ。取材をした11月中旬には秋冬野菜が充実し、キュウリやナスでも数品種、水菜やカブも色違いのものがあり、中でもダイコンは赤、白、黒などれた四角豆やオレンジズッキーニは「どうやって食べるの」と声をかけられ、客との会話のきっかけになっていた。「インターネットでは調べられない農家ならではの情報を伝えられるのが相対する強み」と話す。今シーズンは夏場の猛暑で播種しても芽が出ずにまき直しや、生育のばらつきも見られた。「『農家は毎年1年生だよ』という地元の先輩の言葉が今なら理解できる。気候変化に対応するのは苦しいが、自分の野菜をきっかけにお客さんとの交流が生まれるのは喜び」と笑顔を見せ、石井さんは次世代にバトンを渡すために歩みを進める。10品種にも及ぶ。目立つ場所に置か右左上左下黒キャベツ「カーボロネロ」の生育を確認レンバイの支度作業で「コールラビ」を洗う調理法や管理の仕方を丁寧に説明しながら販売
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