JA横浜_Agri横浜 VOL.250
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農業の師との出会い独立目指して奮闘大規模な開発が進み、街並みが様変わりし始めている。清水優吾さんは20歳で就農してトマトの養液栽培に励む。2年前には父の良政さんと分業し、自身で管理する温室を建てた。試行錯誤する毎日だが、父や師と仰ぐ県立かながわ農業アカデミーでの実習先農家に力を借りながら歩みを進めている。相鉄線ゆめが丘駅より徒歩5分の立地にある清水ファームの温室。周辺はは1段目のトマトが赤く染まり、収穫時期を迎えていた。管理するのは就農して7年目の優吾さん。高校までは野球一筋。卒業後は進学や就職も考えたが、「家のトマトを守っていきたい」と良政さんに伝えた。回答は「やれるならやってみな」。この短い言葉の中には仕事への責任の重さや、作物は手を掛けた分だけ見返りがある反面、その難しさもあるという親心が込められていた。だったが、農業経験は休日の手伝い程度でほとんどなかった。まずは2年間、基礎を身に付けるために県立かながわ農業アカデミーに通うことにした。同じ志を持つ同期や実習先で師となる先輩農家との出会いが将来への展望を明確にした。「特に実習で体力には自信があった優吾さんの2カ月はトマト栽培の基盤を築く重要な期間だった」と振り返る。現場での経験は教科書通りにはいかず、環境の変化や生育状況に対して臨機応変な対応が必要だった。日々の管理作業の中で自分では判断できない施肥やかん水のタイミング、病害虫の被害が出た後のケアなど先輩農家の技を目の当たりに。改めて農業の難しさを痛感したことが逆に優吾さんのやる気に火を付け、「自分のやりたいことをするために早く独立する」という目標を持つようになったと語る。清水家では、祖父の代まで露地で少量多品目の野菜を栽培していた。トマトを始めたのは11年前。祖父の体調不良で労働力が減り、将来を見据えて良政さんが温室を建てたことがきっかけ。「両親が高齢だったので11月中旬、清水ファームの温室で濱農浪漫泉区和泉町清水 優吾さん(26)若き農家の挑戦父と師のトマト目指す

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