JA横浜_Agri横浜 VOL.250
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病気になってから薬を飲むよりも毎日の薬食で「未病」を改善体を構成している「五臓」は五つの「味」の食品に養われています「未病」という言葉を耳にしたことはありませんか? 「未病」とは、病気ではないけれども健康ともいえないという状態のこと。病気になってから治療するのではなく、病気になる前の「未病」の状態で改善して、健康を維持しようというのが、漢方の考え方です。漢方では「薬食同源」といって、私たちが普段食べている食品は全て、薬と同じように体を元気にする力があると考えられています。また、四季折々の旬の食材は、その時期に身体に必要な栄養素をたくさん含んでいるため、旬には最もおいしく感じられます。それぞれの食物の働きを知って、毎日の食事に積極的に取り入れましょう。働きや機能を、「肝」「心」「脾」「肺」「腎」の5つに分類しています(単に内臓器官だけではなく、より広い機能や概念を表しています。例えば、肝は肝臓という意味ではなく、自律神経を調節したり、血を貯蔵したりする臓腑のこと)。そして全ての食材は、五臓を養っていると考えられているのです。いる五臓を養う食品を積極的に摂取しましょう。五臓を養う食品は、「味」で分類する考え方と「色」で分類する考え方があります。どちらも覚えておくと、買い物をするときの食品選びに便利です。漢方では、生命活動に必要な不調を感じたときは、弱ってひ監修:櫻井大典(漢方コンサルタント) イラスト:林よしえ人の成長や発育、生殖をコントロールし、ホルモンの分泌や知覚、知能、運動系の発達と維持に働きかけます。新鮮な空気を取り入れて全身に送る呼吸に似た働きの他、潤いや栄養分の運搬や分配も担っています。昆布、エビ、豚肉 などシソ、ショウガ、ネギ、ニンニク、こしょう などゴボウ、ワカメ、ヒジキ、のり、シイタケ、黒米、白身魚、レンコン、ダイコン、ハクサイ、カブ、ユリ根、白米、牛乳、豆腐、白ごまこんにゃく、黒ごま、黒酢などなど胃と共に消化吸収を担い、エネルギーである「気」や「血」のもとや潤いを作って、全身に送り出します。血を隅々まで巡らせるポンプとして働き、精神や意識を安定させる作用もあります。小豆、米、芋、砂糖、蜂蜜、バナナ など緑茶、ギンナン、ミョウガ、ゴーヤー など梨、栗、卵、トウモロコシ、豚肉、レバー、マグロ、カツオ、サケ、トマト、赤ピーマン、ニンジン、イチゴカボチャ、ジャガイモ、バナナ、ミカン、ユズなど血を貯蔵し、血流量をコントロールして、生理機能がスムーズに働くよう調整しています。グレープフルーツ、梨、レモン、梅、酢、イチゴ、トマト など小豆、アスパラガス、レタス、キャベツ、小松菜、ホウレンソウ、ゴーヤー、ブロッコリーなどなど特集特集そんなときは、漢方を意識した食生活で不調を改善し、心身を整えてみませんか?誰でも手軽に取り入れられる、漢方な食生活のこつをご紹介します。病気というほどじゃないけれど、ちょっと調子が悪い……。「薬食同源」で元気に漢方な食生活のすすめ

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