JA横浜 Agri横浜 Vol.238
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地産地消を定着 せん ていから始めた。しかし天候不順の影響もあり、かん水量や施肥のバランスに苦戦してうまく味が乗らないものができてしまった。2月に定植したブロッコリーは直後に鳥の食害に悩まされるなど課題が浮き彫りになった。あまり口を出さずに見守っていた光一さんは「まずは挑戦してみることが大事。この失敗一つ一つを成長の糧にしてほしい」と話す。し、売れ行きを調査。夏場のエダマメやトウモロコシの好評ぶり、直売所のイベントで売り切れて不足した作物など多くの発見も。「中でも興味本位で作ったオレンジ白菜の人気が予想以上だった。消費者になじみのない品目でも直売なら売れる自信になった」と振り返る。現在、1棟4㌃の温室と40㌃の畑を2人で管理。トマトを主力に、季節に合わせて年間約30品目を生産する。土作りで使うのは自家製の堆肥。梨の冬場の管理で出る剪定枝をチップにし、3年かけて完熟させたものを堆肥にして土に混ぜ込む。これにより、はっ水、保水性の良い土壌になるという。や、メルカートいそご店と本郷店。夏場のみ温室前で直売もする。「直売昨年は思い立ったら品目を増や販路はJA「ハマッ子」直売所舞岡は消費者の反応を直接聞けるのでやりがいがある。ここ2年は自分のトマトが売れ残ることもあった。ファンが多い祖父の味に少しでも近づきたい」と悔しさを吐露する。舞岡町には農業振興や農地の保全を目的とする「舞岡ふるさと村」があり、年間を通じてさまざまな農業体験イベントが開かれる。金子さんも将来的に収穫体験や地産地消イベントを開き、農業に興味を持つ人を増やしたいと夢を描く。実現に向けてインターネット交流サイト(SNS)を活用。目にする機会の多い同世代を取り込むため、直売所では野菜袋に閲覧を促すQRコードのシールを貼った。栽培の過程や出荷状況を随時投稿して農業の魅力を伝えている。最近では子育て世代や若い消費者から購入報告や「おいしかった」という反響コメントも増え、徐々に成果が表れている。「生産者を身近に感じてもらい、舞岡野菜に興味を持ってくれたらうれしい。地産地消をもっと当たり前のものにしたい」と、目標を掲げる金子さんの今後の活躍が見逃せない。右上右下左定植前のトマト苗の生育を確認3世代で翌日の出荷に向けた準備JA「ハマッ子」直売所舞岡やに小松菜を出荷する金子さん

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