ソウやダイコン、長ネギなどの冬野菜が収穫期を迎えていた。角田さんはJA野菜部本郷支部の支部長も務めている。2年前からは近隣住民にもっと地場産の野菜を食べてもらいたいという思いから、部員4戸とともに毎週水曜日に本郷東支店の前で直売を始めた。消費者へは評判が口コミで広がり、地産地消に一役買っている。「集客には苦労したが、職員の協力もあって今では開店前から行列ができるほどになった」と笑顔を見せる。上郷町は宅地化が進み、農地は減少傾向。その一方で、住民からの「緑を守ってほしい」という声も根強い。角田さんはここ数年、小学生向けに食農教育にも力を注ぐようになった。「トマトはどうやってできるのか」「この種子から何の野菜ができるのか」など児童の好奇心は無限大で、毎回質問攻めにあう。「子どもたちにとって農業が当たり前にある環境を残したい。私自身も教えられることも多く、この時間があるからこそ、農業はやめられない」と、目を輝かせる。農のある風景を残したい泰蔵さん㊨に良いホウレンソウの見分け方を教える雅久さん(左から)妻・三千代さん、雅久さん、5歳と3歳の孫娘、娘婿・泰蔵さん、娘・聡美さん
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