JA横浜 vol.226
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じょう出荷前の栽培状況を評価する、令和3年度シクラメン立毛品評会・圃場巡回検討会が11月9日から11日にかけて行われ、審査関係者は市内20戸のハウスを回りました。コロナ禍により部員の同行を控えたことから、今後の再開が期待されます。審査員は、神奈川県農業技術センター、横浜市環境創造局の各職員と、JAの福井英治技術顧問。審査項目は品質・収量を重点に、栽培管理・病害虫・環境整備の全5項目です。シクラメンを生産するハウスに立ち入ると、随所に設備の工夫や繊細な手作業の成果が見てとれます。まず目につくのは、大型の扇風機やファンによる空気の循環。これによって病害を防ぎ、葉の光合成が促されます。見上げると、日差しが強い日とあって、昼前後は遮光ネットで上部を覆っていました。真夏には室温の上昇を抑えることで、根の張りを促してきました。熱帯夜が続く日は、ヒートポンプの作動で室温を20℃代前半まで下げ、ストレスを減らします。鉢を並べるベンチの上に敷かれているのは、光を反射するシート。9月から10月に敷き始めることで、下部の葉が光を求めて下向きになるのを促し、葉が鉢を包み込むような形状に仕立てます。立毛1位の港北区綱島東の吉原英治さんは「前年11月下旬に種まきをしたが、その後の暗所管理や発根時の適温18℃の維持を徹底した。根が弱く水分や肥料の許容量が弱い植物「葉の数だけ花が咲く」といわれるシクラメン。丹精込めて育てられた株は、葉が密集して枚数が多いことに加え、表面がそろって外側を向き、太陽光を浴びやすくなっているのに気づきます。これらは生産者が手作業で仕立てたもので、「葉組み」という技術です。手法は密集する葉表を外側にし、小さな葉を取り除きながら放射状に組みます。葉が元に戻らないように、中心部に専用なので気が抜けない毎日だった」と振り返ります。のリングをはめます。取り外しや株の大きさに合わせた輪の拡大も自在。太めの針金で自作したり、市販品を使ったりと、生産者によってそれぞれです。この輪によって株の中心部に光が当たり、葉の生長を促す効果もあります。作業は7月下旬以降から3週間ほどに1回ペースで、出荷時の仕上げを含め、合計4回から6回の繰り返し。この間、株の生長に合わせ鉢上げもあります。ほ晩秋でも日差しの強い時間帯は遮光ネットを広げてハウス内の光量を抑えるベンチに敷きつめられた反射シート手製のリングをはめた株の中心部分㊤扇風機が稼働するハウス ㊦重油高の折りで冬季の暖房にも活用できるヒートポンプ立立毛毛でで審審査査品品質質・・収収量量ななどど55項項目目美美ししくく健健全全なな株株作作りり葉葉組組みみのの技技術術

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