Agri横浜 vol.215
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世界の経済活動はこれまで、大量生産・大量消費・大量廃棄によって成長してきた側面があります。こうしたリニア・エコノミー(直線型経済)に対し、サーキュラー・エコノミー(循環型経済)とは、廃棄されていた製品や原材料などを新たな資源と捉え、廃棄物を出すことなく資源を循環させる経済の仕組みのことを指します。サーキュラー・エコノミーの概念を取り入れた新しいビジネスが広がりつつありますが、食と農の分野でも取り組みが進んでいます。廃棄資源を新たな価値に変えた農産加工品など、市内での2つの事例を紹介します。注目の新しいビジネスモデル リひたいサイクルサーキュラー・エコノミーには、「有害な廃棄物や排出物を出さない」「投入した資源を使い続ける」「自然システムを再生する」という3つの原則があります。一見すると「3R」と似ていますが、廃棄物を有効活用するのではなく、そもそも「廃棄物を出さない」という点で大きく異なります。この概念が生まれた背景には、リニア・エコノミーが限りある資源を浪費し、海洋プラスチック汚染など自然環境を破壊し続けている現状があります。こうした課題を解決する経済モデルとして、サーキュラー・エコノミーが注目されています。近年、定額利用サービスなど循環性を向上させる新しいビジネスモデルが話題になっています。食と農の分野でも新しい取り組みが広がり、使用済みのさとうきびストローを廃棄せずに、回収して牛ふんと混ぜて堆肥化するなどの優良事例が生まれています。生産消費リサイクル経済モデルの概念図ミカン栽培が盛んな柴シーサイドファームの眼下には、箱庭のような眺望が広がるリニアリサイクリングエコノミー(3R)エコノミー原 料原 料生 産生 産消 費消 費廃 棄廃 棄サーキュラーエコノミー原 料特集特集廃棄資源を新たな価値に食と農を基軸としたサーキュラー・エコノミー

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